intaview: 2013年9月アーカイブ

講師 清水一登
即興音楽ワークショップ「探求と熟考」第1回公演

初めてのライブは、同日午後に行われたワークショップを経て、体勢を整えてからの演奏だったが、実際にはその場で変えたことも多かったという。


ライブの成果

当日は昼間にワークショップをやって、その後でライブだったんですが、本番がいったいどういう音になるのか、ぼくとしては明確なイメージはありませんでした。それがまた楽しいところでもあるんですが。

なにしろ、ワークショップとライブだと、流れる時間の感覚がぜんぜん違いますから。どうしても、やってみないと分からないっていうところがあるんです。

それでも、結果的にはうまくいきました。まだまだ途上にある感じはしますけど、いろいろ勉強になったし、これからのワークショップにとても役立つ経験になりました。


ライブとワークショップの関係

ライブではワークショップよりも人数を細分化して演奏したんです。具体的な分け方はあの場で巻上さんがぜんぶ決めたんですけど、人数が重要だということは、それこそワークショップが始まる前から巻上さんもぼくも感じていたので、そのあたりの事情を考慮して分割しました。これはいい判断だったと思います。

本番の演奏はうまくいったわけですけど、それもやっぱり、直前にやったワークショップが大きかったですね。リハーサルみたいな感じで、ライブに備えての心構えができましたから。

次のライブでも同じやり方をするかもしれません。つまり、当日の昼間にワークショップをやって、その後にライブに向かうということですね。1か月間隔を開けるよりは、この方が適切なんじゃないかな。

そういうことが出来るのも、ライブとワークショップを同じ場所でやっていることが大きい。これについては、本当にありがたいし、恵まれていると思いますね。


インプロビゼーションの新たな可能性

ライブでは、ミクストダブルスっていう、4人組で演奏する曲もやりました。なかなか難しい曲ですけど、これが上手くできるようになったら、かなり面白いことになりますよ。

あの曲に限ったことではなくて、ワークショップ全体がそうなんですけど、最終的な演奏の形が示されているわけではない。プレイヤー同士の関係が規定されているだけなんです。

そういう規定があらかじめ共有できていれば、何の関係もない人どうしでも、一緒に演奏することで、その場でひとつの音楽作品を作り上げることができます。即興演奏なんだけど、インスタント・コンポジションとでもいうべきものになる。

そうやって出てくるものが、面白い音楽になることは容易に想像できます。普通にあるような、何もないところから始まるインプロビゼーションとはまた違ったものになるんですね。

それはまた、たとえばジャズのセッションで、ブルースやスタンダードを演奏することとも違う。ああいうものは、どう演奏したところで、根本はやはりブルースであり、スタンダードですから。また、ストックフレーズの応酬みたいなことにもならない。むしろ、考え方としては、そういう展開を防いでくれるものでしょうね。

そういう意味でも、大きな可能性を持っているのがこのワークショップなんです。


初めての方歓迎! 次回ワークショップは9月28日(土)

『探求と熟考』即興演奏を学ぶ
ナビゲーター 清水一登、巻上公一
会場 渋谷・公園通りクラシックス
参加費 3,000円 学生 1,000円(要学生証) 観覧 2,000円
開催日 9月28日
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