makigami: 2013年2月アーカイブ
講師 清水一登
即興演奏ワークショップ「探求と熟考」第1回を終えて
去る2月2日(土)、渋谷の公園通りクラシックスで、盛況のうちに終わった第1回の即興演奏ワークショップ。当日集まったのは、多彩なバックグラウンドをもつ人々だった。
第1回を振り返って
うれしかったのは、実にいろんな人が集まってくれたことですね。プロの人も来てくれてたし、その中でも、インプロビゼーションをずっとやっている人もいれば、そうでない人もいて。偶然とはいえ、そういう多様性があったのはとてもよかった。
というのも、ジョン・スティーブンスのテキスト自体、そういう状況で効果を発揮するものなんですよ。なにしろ、参加者個人の音楽歴みたいなものを前提にすることを徹底的に避けた本なので。だから、いろんな人たちが一緒にやるという状況になったのは、とてもいいと思います。
常にまわりを聞く
当日は、冒頭にすこし説明をしただけで、すぐエクササイズに入りました。最初にやったのは、全員が円座になって、順番に声を出してゆくというものです。しだいに複雑な内容になっていきますけど、まずはそういう単純なところから始めていきます。
みんなで円になって、ひとりずつ進行させてゆくんですけど、自分の番が来たときに何をやるかっていうのは、わりとはっきり決まっています。
それで、実際にやってみると、これが難しい。すごく単純なことなのに、やってみるとなかなかに大変なんです。他の人がやっているときに、関係ないことを考えていると、失敗してしまう。ちゃんとやるには、常にまわりを聞いていないといけない。集中力が要求されるんです。
能動的に即興するために
ワークショップでまず最初に養いたい能力は、全員の音をぜんぶ聞き分けることができて、しかも自分がその次にやることを自由自在に決められるようになることで、そのためのエクササイズなんです。
つまり、状況を把握しつつ、自由に演奏できるようになるということですね。ただ、そうなるには、まわりの音を聞き取れるようにならないといけない。人数が多いと、全員の音を聞き分けるのは、かなり難しくなります。
他人の音を聞いて自分の音を出せるようになるのは、とても大変なことです。でも、即興演奏を能動的にやろうとするなら、これはもう基本なので。
テキストの前半はリズム編になっています。ですので、ワークショップもしばらくはリズムが中心になりますが、いろんな形を取りつつ、進めていきたいと思います。
次回ワークショップは3月23日(土)
『探求と熟考』即興演奏を学ぶ
ナビゲーター 清水一登、巻上公一
会場 渋谷・公園通りクラシックス
参加費 3,000円 学生 1,000円(要学生証) 観覧 2,000円
開催日 2月23日 3月23日 4月27日 6月1日
詳しくはこちら
「ヴォイス・パフォーマンス・セッション実験室」
2月16日(土)16:30~18:00 (16:15開場)
【沼部 いずるば】
ボイスパフォーマンス講座未経験者/1000円
(*原則としてセッション参加はこれまでにワークショップ参加された方。
**セッション参加希望の方は事前に連絡お願いします。)
2月17日(日) 突然ホーメイライブ
【両国RRR】start 16:00
トゥバのホーメイ歌手オトクン・ドスタイと巻上公一とで、
根本敬展引っ越し3日間の展示の中)で突然ホーメイライブを行います。(投げ銭です)
rr666.net
2月23日(土) 即興ワークショップ『探求と熟考』
【公園通りクラシックス】13:30から15:00
講師 清水一登 巻上公一
http://makigami.com/makigaminews/2012/12/2-1.html
即興演奏の楽しみを深めよう。
2月26日(火) 『it's a wonder2 night』
【渋谷la mama】
らいむらいと /ジンタらムータ / 黒色すみれ / 犬神サアカス團
ゲスト:巻上公一
OPEN/START 18:15/18:45
ADV/DOOR ¥2600+D/¥3000+D
※チケット発売日:1/26(土)
※入場順:La.mama店頭売り・出演者手売り→ローソンチケット(L-78642)→e+
多くの方のご来場お待ちしています。
ヒカシュー関係のお知らせはヒカシューBolgをご覧ください。
ヒカシューBolg
講師 巻上公一
即興演奏ワークショップ「探求と熟考」第1回を終えて
去る2月2日(土)、渋谷の公園通りクラシックスで、盛況のうちに終わった第1回の即興演奏ワークショップ。実践から見えてきたものとは何か。
改めてその効果を知る
やってみて分かったのは、とにかくジョン・スティーブンスのテキストがひじょうに良くできているということですね。即興演奏を教えるのは、なかなか大変ですけど、ずいぶん昔によくこれだけのものを作ったなあと思います。
実際にやってみると、これまであいまいになっていたことが、明快になってきましたね。それもやっぱり、テキストがとても良いからなんです。入っている曲も面白いし、内容を練っていけば、また違ったこともできそうな気もするし。
そもそも即興演奏のワークショップ自体が皆無なので、そういう意味でもやりがいはありますね。とにかく、あまり堅くならずに、いろいろ試しながらフレキシブルにやっていこうと思っています。
ためらいの壁を乗り越える
日本人の特徴として、ひじょうに規律が好きだということがあります。ワークショップとかでも、ルールを守るという傾向が強い。たとえば、こういうことをやっていいでしょうか、っていう質問がよく来ますけど、これが大きな問題なんです。
即興演奏では何をやってもいい。スポンティニアス(自然発生的)ということがいちばんだいじ。だけど、そのスポンティニアスな感情が生まれたときに、それを表現していいのかどうか聞いてしまう。それが日本人にとって、いちばんの問題なんです。即興演奏に限ったことではないと思いますけど。
この部分をどう克服するかっていうことが、
ワークショップの(テキストにはない)隠れたポイントだと感じています。
単純なのに深い
以前に、即興演奏とは、たとえば一緒に歩きながら会話することだという話が出ましたけど、実際にやってみると、その一緒に歩くってことが、まずなかなか大変であるのが分かりましたね。
一緒に歩くっていうことは、タイムをどう感じ合えるかということで、そこからひじょうに複雑なものが見えてくる。つまり、みんなが持っているリズムが現れてくるんです。そこがとても興味深かった。やってることは、ただワン、ツーって言ってるだけなんですけどね。
単純なことなのに、やってみると面白い。さらに、そういうことの深さも分かる。体力とか忍耐力とか、いろんなことが要求されるんです。リズム感が鍛えられますよ。
もっとも、今はまだリズムに関するところしかできていなくて、インプロビゼーションまで行っていないんです。だから、ひらめきをどうするかとか、そういうことは後になりますけど。
早くもライブ決定
それで、6月1日(土)に演奏会をやります。昼間にワークショップをやって、その時の参加者から何人かメンバーになってもらい、同じ日の夜にライブをやる。これはもう決まっていて、会場も押さえてあります。
まあ、やることまでは決まっていないんだけど。なにしろワークショップが進んでいる途中だから。進みぐあいを考えて、その時点でやれることをやります。いちばんいい形で見せられるもの、ということですね。ワークショップをやるうえで、成果を見てもらうのは、やっぱり重要ですから。
次回ワークショップは2月23日(土)
『探求と熟考』即興演奏を学ぶ
ナビゲーター 清水一登、巻上公一
会場 渋谷・公園通りクラシックス
参加費 3,000円 学生 1,000円(要学生証) 観覧 2,000円
開催日 2月23日 3月23日 4月27日 6月1日
詳しくはこちら