即興演奏ワークショップ「探求と熟考」第1回を終えて
講師 巻上公一
即興演奏ワークショップ「探求と熟考」第1回を終えて
去る2月2日(土)、渋谷の公園通りクラシックスで、盛況のうちに終わった第1回の即興演奏ワークショップ。実践から見えてきたものとは何か。
改めてその効果を知る
やってみて分かったのは、とにかくジョン・スティーブンスのテキストがひじょうに良くできているということですね。即興演奏を教えるのは、なかなか大変ですけど、ずいぶん昔によくこれだけのものを作ったなあと思います。
実際にやってみると、これまであいまいになっていたことが、明快になってきましたね。それもやっぱり、テキストがとても良いからなんです。入っている曲も面白いし、内容を練っていけば、また違ったこともできそうな気もするし。
そもそも即興演奏のワークショップ自体が皆無なので、そういう意味でもやりがいはありますね。とにかく、あまり堅くならずに、いろいろ試しながらフレキシブルにやっていこうと思っています。
ためらいの壁を乗り越える
日本人の特徴として、ひじょうに規律が好きだということがあります。ワークショップとかでも、ルールを守るという傾向が強い。たとえば、こういうことをやっていいでしょうか、っていう質問がよく来ますけど、これが大きな問題なんです。
即興演奏では何をやってもいい。スポンティニアス(自然発生的)ということがいちばんだいじ。だけど、そのスポンティニアスな感情が生まれたときに、それを表現していいのかどうか聞いてしまう。それが日本人にとって、いちばんの問題なんです。即興演奏に限ったことではないと思いますけど。
この部分をどう克服するかっていうことが、
ワークショップの(テキストにはない)隠れたポイントだと感じています。
単純なのに深い
以前に、即興演奏とは、たとえば一緒に歩きながら会話することだという話が出ましたけど、実際にやってみると、その一緒に歩くってことが、まずなかなか大変であるのが分かりましたね。
一緒に歩くっていうことは、タイムをどう感じ合えるかということで、そこからひじょうに複雑なものが見えてくる。つまり、みんなが持っているリズムが現れてくるんです。そこがとても興味深かった。やってることは、ただワン、ツーって言ってるだけなんですけどね。
単純なことなのに、やってみると面白い。さらに、そういうことの深さも分かる。体力とか忍耐力とか、いろんなことが要求されるんです。リズム感が鍛えられますよ。
もっとも、今はまだリズムに関するところしかできていなくて、インプロビゼーションまで行っていないんです。だから、ひらめきをどうするかとか、そういうことは後になりますけど。
早くもライブ決定
それで、6月1日(土)に演奏会をやります。昼間にワークショップをやって、その時の参加者から何人かメンバーになってもらい、同じ日の夜にライブをやる。これはもう決まっていて、会場も押さえてあります。
まあ、やることまでは決まっていないんだけど。なにしろワークショップが進んでいる途中だから。進みぐあいを考えて、その時点でやれることをやります。いちばんいい形で見せられるもの、ということですね。ワークショップをやるうえで、成果を見てもらうのは、やっぱり重要ですから。
次回ワークショップは2月23日(土)
『探求と熟考』即興演奏を学ぶ
ナビゲーター 清水一登、巻上公一
会場 渋谷・公園通りクラシックス
参加費 3,000円 学生 1,000円(要学生証) 観覧 2,000円
開催日 2月23日 3月23日 4月27日 6月1日
詳しくはこちら
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 即興演奏ワークショップ「探求と熟考」第1回を終えて
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://makigami.com/movabletype/cgi-bin/mt-tb.cgi/960
コメントする