吉増剛造---キセキを残す映像詩
先頃古稀を迎えた詩人、吉増剛造GOZOcineのDVD発売とのことで、さまざまな催しが開かれているようだ。今度、6月12日、13日、14日に調布のせんがわで開かれるJAZZ ART せんがわに出演していただくために何度かファックスでやり取り、いいろいろな確認のためにABCブックセンターを訪れた。その日は、しまおまほ×ホンマタカシ×吉増剛造×八角聡仁(司会)という組み合わせ。ホンマさんは、先月ワタリウムの島袋通浩展のオープニングで語る吉増さんを知って、急速に興味を持ったのだという。あの時は確か、吉増さんは、大野一雄さんの床にいってその微細な動きの感応の話をしていた。まほさんは、吉増さんが透けてるような人だ、まだ子宮の中にいるのではないか、と時折速球を投げていた。
会場には、銅版や、ピンチハンガーに吊るした桜貝。吉増さんが、白川静さんによると刺青は文身というふうに書いたということから
文学の文の字の由来を語っていたが、ぼくは桜貝と刺青からアルタイの古代遺跡を思い出していた。それから弘法大師が持っていた諸尊仏龕という携帯用の枕本尊の小さなイメージが、高野山の伽藍をつくる原動力になった話やら。DVDのキセキモードという追いかける残像と、その前を行く桜貝や、ポケットのMDから流れるジョン・ケージを連れながら、語り続ける詩人。
これは素晴らしく面白い本だ。
それからたまたまテレビでみていたら《ゴーシュ》という名前という本の秒刻体の話をしていて興味をもったそうだ。
アルノー・ホルツという人の徹底自然主義というらしいが、面白そうだ。どこかリチャード・フォアマンも思い出す。
JAZZ ART せんがわ 吉増剛造氏は、6月12日に出演。共演は、大友良英、巻上公一。
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