"電気うなぎ" 

TZADIK TZ 7216
うなぎはその生態が長らく不明であって、アリストテレスでさえも、うなぎは泥の中か
ら自然に発生するのだと考えた。しかし現在中国では研究がすすんでおり、コウキン
(koukin)という水生の蔓草が変化して生まれる魚であるという説が発表されて、一般的
になっている。(koukin/スイス語名trumpi 、ハンガリー語名 doromb)
電気うなぎの存在は、Terrine大学創始者のAnton Bruhin氏によって40年以上も前に
仮説として報告され、1994年の秋にStefan Flueler氏によって実在が証明された。し
かし電気うなぎがはっきりと姿を現わしたのは1998年のはじめになってから、あるタ
クシードライバーのできごころがきっかけであったという。彼はうなぎが食べたいがた
めに、アントン氏がタクシーに忘れていったkoukinを持ち逃げしてしまったのである。
「がっくりしたわたしは、シャーマンと共に、1714 studioの際を流れるthousand 
years riverの岸に座り込んで、水面をみつめていた。すると水中になにか発光してい
るものが見えた。ズボンが濡れるのもかまわず川に入っていってそれをひろいあげてみ
ると、なんとそれは葉が6,000枚はある堂々たるkoukinで、それはたちまちわたしの
手の中で電気うなぎに変化した。」(Terrine大学発行「In the 3D‐grid at all 
lightyear's Trumpi」より)

この奇跡的に誕生した電気うなぎと、シャーマンと呼ばれる Makigami Koichi氏の類
い稀なる恐るべき声帯とによるセッションが、今回CDとなってkoukinの歴史に刻印さ
れた。今までkoukinのCDといえばほとんど民族音楽寄りであった中で、初のフリーミュー
ジックからのアプローチである。世界で唯一人のへび使いならぬ電気うなぎ使い師とシャー
マンによるセッションは、聴く人の耳と心を文字通り奪うであろう。
最後にもう少し紹介すると、このCDのプロデューサーでもあるMakigami Koichi 氏は、
koukinによる啓示をうけて、1998年1月に世界初のkoukinオペラ「Хомус〜I'm 
shaking my head too」を上演し、その夢幻の世界は大きな話題になった。
アントン・ブリューヒン氏は現在世界で最もkoukinを自在に演奏する人である。その
超絶技巧は、何人の追随をも許さない。それは彼が、大変優れたkoukin哲学者であり、
かつkoukin 探検家でもあるからであろう。
また今回は日本koukin協会の代表者であり、koukinの世界的普及と研究の発展に大い
に活躍されているTadagawa Leo氏も特別参加している。

さて、このたび電気うなぎの驚くべき音と共に、その解剖図が公開された。中に水が入っ
ていることで、Elektrisch Trumpi (E.T.)のまさに理想形となっていることがみなさん
にも納得されることであろう。しかしアントン氏によれば、Electric eelはその後、進
化しつつあるということである。

koukinを愛してきた多くの人々の大いなる喜びと共に。 

巻上文子


今回アルバムの表記に多くの間違いがありましたことをお詫びいたします。 ・Br[u]hinは全てBruhin。ウムラウトをとってください。 解説書 ・楽器名、tr[a]mpiはtr[u]mpi。こちらはウムラウト付き。 ・drombはすべてdorombです ・HTRRはHTTRです。 裏 ・TADAKAWAはTADAGAWA 帯 ・Maul Trommel はmaultrommel(1単語、頭は小文字) CDのお求めは、CDSHOP1714
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